モットン

モットンを妻にプレゼントしたら喜んでもらえました

もともと妻は腰痛持ちで苦しんでいました。
いつもネットでモットンを見ては欲しそうにしていたものです。

 

築年数10年が経とうとする我が家では、もうそろそろ家電の故障、クロスの剥がれ、フローリングの痛みなど、ダメージが目立ってくるようになりました。

 

果てしない住宅ローンの残る我が家なので、ひとつひとつの綻びが家計に重くのしかかります。しかしながら、お金で修復できるものはまだ良いのです。

 

月日が与える影響とは本当に残酷なもので、この10年という年月は夫婦の距離までも大きく突き放したように思います。

 

腰痛がひどい妻がモットンで寝る事で変化が

子供たちも手がかからなくなり、お互いの仕事に躍起になるだけの日々が続いています。ふとした一言から、つまらない勘繰り、小競り合い、言い争いへと発展し、ああ、会話をしてもちっとも楽しくないじゃないか、とお互い思い始めてからもう随分と時間が経ったように思います。

 

もちろん結婚記念日や誕生日など、イベントで盛り上がることなどありません。気の利いたプレゼントなんてもってのほかで、そういった振る舞いのわざとらしさというか、新鮮さにつきまとう生臭さというか、とにかく、そういった気遣いを許さない空気が、10年経つこの家にはこびりついてしまったのです。

 

ある日無言のリビングで、妻は録画したドラマを観ていました。私も私で無言で晩酌をしていた訳ですが、その何とも言えない拠り所の無さが、長い付き合いとはいえ、お互いを疲れさせている原因のように思えました。

 

テレビ画面では仕事に疲れたOLが、安らかな顔でベッドに横たわっていました。

 

仕事に疲れたOLは、ベッドに横たわった瞬間、ああ、と声を漏らしました。

 

何という事もないシーンでしたが、妻がふと、「ふーん」と声を漏らしたのです。私もそれに釣られる形で、画面へと目を遣りました。
そこには例え演技だとしても、心底リラックスした表情の女性がいました。

 

画面から目を戻し、水の入ったグラスを見つめると、そこに妻が映りました。

 

グラス越しに映る私の妻は、屈折して見える部分を差し引いても昔はもう少し綺麗だったのになあ、と思わせるものでした。もちろんテレビに映る女優とは比べるべくもありません。

 

生活に追われ、仕事に追われ、次第に趣味も女性らしい身なりも興味を失っていった妻。ひたすら子供のため、将来のため、他には何も興味を示さなかった妻が、久しぶりに興味を持ったものが、安らぎなのだという事にその時気づきました。

 

今この会話の無いリビングでは、お互いに心底安らぐことはできません。別々の寝室にこそ、安息の地があるのです。
インターネットでモットンが売っている店を調べて私はその週末、モットンを通販で購入しました。
モットンの性能はこちらのサイトで知りました。

 

今回は私のへそくりから、上質な高反発マットレスであるモットンを買いました。夫婦揃って、とはなかなか財布が許さなかったので、妻の分だけとなりましたが、久しぶりの高い買い物となりました。

 

プレゼントだよ、と伝えると、何で?と返した妻。

 

口下手な私はその質問には答えませんでしたが、妻も返事を待つ事なく、「ありがとう」と言葉を繋げました。

 

隣室からは今日も妻のいびきが聞こえます。色気も何もあったもんじゃない

 

、ですがいつまでたっても、会話が無かろうとも、心の奥では愛おしく思えるのが夫婦なのでしょう。

 

モットンのプレゼント、記念日でも記念日ではなくても、きっと喜ばれますよ。